「アナロジー思考」っていう概念があるんですよ。
「全然違う物事から共通の構造を探して、新しいアイデアを出したり課題の解決に役立てる考え方」っていう思考ツールのことなんですが。
なんか意識高い系の本とか、インフルエンサーとかがこれの話を持ち出したとき、第一印象こうだったんですよ
意味わからんこと言うな
って。
全然違う物事から共通の構造を探すってなんだよ。マジカルバナナかよ。ちくわといったら穴が空いているといったらドーナツといったらダスキンといったら大阪といったら通天閣かよ。
でもまぁ、それで終わったら脳を鍛えるになりませんからね。今はAIって便利ツールもあるし、オフで会う知り合いも仕事の悩みとか言うこと増えてるしで丁度良い。
アナロジー思考はセンスありきの天才思考じゃなく、練習で上手くなる「技術」「スキル」の類とのことなので、実際に理解を深めてみました。
パクりにならずにパクれるやり方
アナロジー思考を試してみて良いなーって思ったことは、「パクり感を出さずにパクれる」ってことです。
逆に、同業他社とか同じ業界の事例をただ真似てみるだけだとパクりというか二番煎じ感というか、上手くいきづらい。
たとえば、知り合いに飲食店の社員がいるんですよ。
この間のGW明けあたりに割とバイトを増やしたって話なんですが、メニューの種類多いから覚えさせるのが大変で、1人で調理を任せられるまでに時間かかったりオペレーションミスが起きたり。
結局その社員がカバーするからストレスとか残業エグい~って。
店長に、紙のマニュアルは今時キツいって! って言ったら、店長動画マニュアルを導入してくれたんですよ。「調理手順をタブレットで撮って見れるようにした。大手はそれで教える時間減らしたらしいから」って。でもあんま変わらなかったーとのこと。
そりゃそうだよね。レシピが紙から画面になったってだけだもん。
確かに「紙より動画の方が、どう料理すれば良いか」はわかりやすいから覚えやすいは事実だろうけど、覚えやすいってだけで覚えなきゃいけないことそのものは変わっていないワケで。
そういう話を聞いて、スマホでAI呼び出して「こういう話があったんだけど、何を変えればいいんだろう」って書いてみたんですよ。
それで返ってきたのが、「覚えなければいけないという記憶依存の構造そのものを変えれば改善されるはずです」とのこと。要は「覚えなくても作れれば良い」というね。
じゃあ「初見でも上手くできるもの」を探そうってんで色々案出ししてみたのが、カーナビ式(行ったことない場所へでもどこで曲がるとか何分で着くとかが全部わかる)とか券売機式(交通系ICとスマホ決済で光る場所(=タッチする場所)が違うから始めて使う場合でも迷わない)とか。
そんで、一番しっくり来たのが音ゲー/カラオケ式。ノーツとか歌詞とか覚えてなくても画面に表示されるのを押したり歌ったりしてればOKっていうのは割と料理にも転用できるね~ってことで、動画マニュアルの在り方を「次にこれをやる」「次にこれをやる」って調理工程に合わせて表示されるようにしました。
そしたら、少なくとも動画見てレシピ覚えてね のやり方よりは上手くいったようです。手際悪いと工程できてないのに自動で次に進んじゃうとか、音声付きだと厨房からホールに音が漏れかねないとかまだ課題はあるけど前進はした感じ。
ゲームのチュートリアルとか、スライド表示で「これはこういうギミックです が説明されるだけ」みたいなやつは読む気起きないけど、実際に操作を伴うチュートリアルだと少なくとも「上手くできた経験」は1回積めるじゃないですか。あれと同じですね。
「カラオケの歌詞画面をパクって調理工程マニュアルにしました」はかなりパクり感なく活用できて良いんじゃないですかね
壁打ちだけでも結構面白い
実際に使ってみたのは飲食店ケースでしたが、パッと見関係ない共通点探し作業をAIと壁打ちしているだけでも結構面白かったです。
具体と抽象を行き来しているだけで鍛えれるものもあるので、自分や友人の業種とかからでもありがちな課題で考えてみるのもアリですね。
ここからは壁打ちと案出しをそれなりの時間やってみて、実際にやってみて面白そうなものを挙げています。この手のやつは「例示の量」がわかりやすさの肝になるからね。
案出し例集
オンライン会議で誰も発言しない問題
「何か質問や意見はありますか?」と問いかけても、参加者がだいたいミュートのまま。毎回特定の人しか喋らない。
大勢の前で最初に声を出すハードルが高いから、一度もマイクをオンにしていない状態だと会議が終わるまでミュートのままの方がラクに感じてしまうという構造。
音楽ライブやフェスでアーティストはいきなり観客に難易度の高い大合唱を求めない。最初は手拍子を促し、次に合いの手を叫ばせ、段階的に参加者の身体と声をほぐしていく構造。
これを会議に転用。アジェンダに入る前の1分間で、仕事とは全く関係のない「超・低ハードルな発言」を全員にさせる。たとえば「さっき食べた朝食を1言ずつ5秒で。マイクはミュート外したらそのまま」とか。
本題前に全員が一度「マイクをONにして声を出す」をやってほぐした後なので、その後の質疑応答で発言する抵抗感が下がりやすくなる。
遊びから片付けへの以降が進まない問題
片付けの時間だよと声をかけた瞬間、子どもたちがヤダ! と叫んだり、まだ遊んでいたいとパニクったりする。保育士が力づくで中断させると激しい反発を生み、精神的・時間的コストが非常に大きい。
子どもにとって、集中して遊んでいる状態は「走っている車」と同じ。そこに急に「お片付け」という急ブレーキを置かれると当然パニクる。
タイマーを鳴らすとかお片付けソングとかだと「遊んでいる状態から急停止させられる」が解決されたわけではない。自然に子供が「今日はもうおしまい」を認識できる仕組みの方が上手くいきそう。
着目したのはドリンクサーバーやコーヒーサーバー。「コーヒーを抽出しています」「注いでいます」「あと○秒で出来上がります」が視覚的になったサーバーは移行時間のストレスを軽減してくれる。
これを転用して、「ママが園に向かっている動画」を用意。「ママが園に着くまでに片付けをやっちゃおう」と促すことで、「遊びの終わり」ではなく「親が来る準備」として認識させ、自然に片付け等をさせることができる。
献立考えるのダルすぎ問題
料理を作る時間以上に、毎日「何を作るか考える」ことは非常にダルいしストレスになる。家族から「なんでもいいよ」と言われると近くのコンビニでおにぎり買ってブン投げたろうかになる。
構造としては、冷蔵庫にある食材というめちゃめちゃある選択肢の中から、毎日ゼロベースで選択・組み合わせを行わなければならない決定疲れ状態。
音楽配信サービスの「プレイリスト」から着想。聴ける曲は何百万曲と冷蔵庫の比ではないが、毎回1曲ずつ探すのではなく通勤中に電車内で聴く用、ジムで運動中に聴く用などあらかじめパッケージ化されたセットを選ぶだけの仕組み。
「メイン+副菜+汁物」の組み合わせをゼロから考えるのをやめ、あらかじめ相性の良い3点セットをいくつかパターン固定で作っておく。毎日は「今日はリストCにする」と選ぶだけ、あるいは曜日ごとに割り当てるだけで、毎日の意思決定コストを減らせる。


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